不倫の代償 その2
芸能人や公人の不倫ニュース、多すぎる。
不倫する人たちにも、それを騒ぐ人たちにもうんざりする。
不倫の代償。
絶対あると思う。
私は大切なものを失った。
子供たち。
これは第一段階。
それから、親兄弟、親戚たちとそれまでとは関係性が変わってしまったということ。
縁を切る寸前まで行った。
縁を切るところまで至らなくても、気持ちの面では一旦、切れてしまった。
これが第二段階。
再婚することになり、疎遠になった実家の家族になんとか認めてもらい、再構築しはじめたところだった。
それが今、あるトラブルのせいでまたガタガタと崩れてしまった。
彼と私の姉が口論した。
不倫した私を責め、必要以上に意見を言ってくる姉は、私の妊娠が発覚した時に口論になり、結婚式の招待状を渡すまで口もきかなかった。
その姉がなんとか彼を迎え入れてくれ、仲良くしようとしてくれていたのに、まさかの彼とぶつかるという展開...。
外面のいい彼だし、うちの家族も負けず劣らず外面はいい。
それなのに、越えてはいけないボーダーラインを越えて言いたいことを言いたいだけぶつける口論になってしまった。
心配してくれてる姉に対して、その言い方はないんじゃないの、と思う。
そもそものきっかけは義両親と彼の喧嘩だった。
そのことで義母が気を病み、
「私も年だし、心穏やかに暮らしたいの。だから、別々に住んだ方がいいと思う」
と言い出した。
最初は冗談かと思った。
だけど本気で。
そしたら彼もキレちゃって。
マザコン気質なくせに、母と息子の喧嘩に発展。
それから私の実家へ行き、事の次第を説明した。
後日、電話で話していた時。
「あなたで本当に大丈夫なの?ゆきを幸せにできるの?」
姉が彼にそう言ったらしい。
「そんなことわかんないです。こっちだって、ゆきさんで大丈夫なのかって思いますよ!」
彼はそう答えた。
私が嫁で、彼の人生が大丈夫か、ということ。
「そんなに言うなら、実家に連れて帰ったらいいんじゃないですか!?実家にいたら幸せになれるんですよね!?」
姉と何を話したかはわからないけど、彼は受話器にそう叫んでいた。
私は、ばーって涙が出た。
なんか複雑な気持ちだった。
お姉ちゃんにそんな風に言っちゃう彼。やめてよ。っていう思い。
それから
「実家にいたら幸せになれるんですよね!?(怒)」という言葉に
自分がゆきを守ろうとしているのに、それを色々言われて怒っている彼に
愛を感じた。
なんか言葉では表せないんだけど。
自分がプライド持ってることに関して否定的なこと言われると
人って怒るでしょ。
だから…
あ、この人は一応、私を幸せにしようと考えてはくれていたんだな。って。
でも私の家族との関係はめちゃくちゃになった。
電話を代わった私に、電話越しで姉は泣いていた。
「私はね、あんたの結婚を本当は許したくなかったんだよ。
子供達もかわいそうで…
だけどね、前に進まなきゃって彼にも会って、
みんなでご飯食べるときはお酒をついで、
色んな思いは有るけれど、ゆきが選んだ人だから、仲良くしようって短い間だったけど、やってきたんだよ。
あんたに幸せになってほしくて…
あんたが幸せにならないと、あの子たちだって本当にかわいそうなんだよ…」
姉に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
こんなに心配してくれているのに。
姉は、なんで彼が「大丈夫です」ってはっきり言えないのかって言ってた。
後で、彼に聞いたの。
「俺だって、自信ないんだよ。ゆきを幸せにできるかどうかなんて。
だから実家に帰った方があなたの人生にとっていいんだったら、そうすればいいと思う。俺といたって、幸せになれる保障なんかないんだから」
常に自信のない、彼らしい発想だった。
私がこの人を幸せにするんだ、って
昔、そう思っていた。
私は幸せにしてもらうのを待ってるつもりはない。
だけど、私の家族とは仲良くしてほしかった。
完全崩壊してしまった関係。
これも、不倫の代償か。