あたしは見たくなかったのかもしれない あなたの全てを あなたのことをもっと知りたいと思っていたけど 本当は知りたくなかったのかもしれない 知るべきではなかったのかもしれない どうしてこんなに苦しいの？ はじめからなかったことにできればいいのに あ…

私の携帯はメールがくると 青くランプが点滅する。 くるはずなんてないのに 彼からのメールを待ってる。 それに気づくのは 他の人からメールが来たとき。 青いランプに気付いて 携帯を立ち上げるけど 期待外れ。 期待？ なんで期待してんだろって思う。 来る…

抱きしめられている時に 元カノの名前を呼ばれた。 彼も思わず「ごめん、俺、サイテーだね…」と言ったけど 私は気にしないことにした。 付き合う前 よく元カノの話をしていた。 自分は引き摺っていること。 女の人の方が立ち直りが早い、とか。 傷つけあって…

彼が帰ってきて、一緒に動く機会があったので、聞いた。 「来週はいつ休むの？」 「来週は休まないつもり」 「（え、、、、）ふーん」 基本的に、平日に休んでもらわないと会えないじゃない。 後でメールした。 「日野くんはさー、ふたりで 会いたいとか思わ…

名古屋に行った彼は 友達とさぞ楽しい時間を過ごしているだろうと思った。 向こうからメールはしづらいだろうから、 あの日家に帰ってからあたしからすぐにメールを送ったけど その後それが続くことはなかったから。 男の人って、友達と過ごしている時が一番…

家に帰ってシャワーを浴びた。 けど心臓はまだものすごい速さで脈打ってて、 おかしくなっちゃうんじゃないかと思った。 キスと彼の顔やしぐさを思い出すたび そわそわした。 キス、しちゃった。 ーーーーーーーーー あたし、浮気したことないから。 今の旦…

やっと車にたどり着いた。 それは帰らなきゃいけないということも示唆していた。 「ちょっと話しましょうか」 彼がそう言ってくれたので 「そうだね」 エンジンかけて暖房をつけて、車の中で落ち着いた。 キス。 欲しかったものが手に入ったかのように それ…

この店も、もう閉店の時間だったので店員さんが片付けをしていた。 「とりあえず、外に出ようか」 そして外に出た。 冬が近くて肌寒い。 あたしたちは近くのファミレスまで歩いて行くことにした。 正直、何を話したのかよく憶えていないけれど あたりさわり…

小さいバーで あたしたちは１杯だけ頼んで まったりとした時間の中で話をした。 お店の人が持ってきたコースターがハートの形をしていた。 気まずい。 でも日野君は気付いていないようだった。 素敵な人だな、と思う。 話せば話すほど この人は痛みを知って…

この日は別々の現場での仕事だった。 こっちが延長してしまって時間は７時半を過ぎてた。 あたしは家に帰らず、そのまま行くことにした。 そして彼の家の近くのコンビニまで迎えに行った。 よくランチで使う居酒屋へ。 また、色々とぶっちゃけトークをした。…

「もしよければ、明日か明後日、飲みに行かない？奢るよ」 あたしは早くも限界が近かった。 言っちゃおう。 告白しちゃおう。 それで、誘った。 お酒の力を借りよう。 彼が月曜日から４連休を取ることを知っていたので 休みの前日ならいいんじゃないかと、、…

一緒に営業回りの日。 車の中で二人きりになったら、言ってしまおう。 何度も何度もシュミレーションした。 「あたし、事務所で態度がおかしいと思うんだけど、 それはね、日野君のこと好きだからなんだわ！ 別にそれでどうこうしようってわけじゃないの。た…

告白して 振られてしまえば すっきり忘れられる。 そうしようかな。 そうしよう。 ここ最近は事務所で我ながら態度がおかしい。 ぎこちなくなってしまう。 やけに他人行儀に話してしまう。 好きと悟られたくないから。 本人に、というより周りの人に。 その…

「事務所にいる時の俺を信じないでください。 高山さんといる時の俺が、本当の俺だから」 いつだったか、前に言われた。 こんなこと言われたら 嬉しくなるでしょ。 勘違いしちゃうでしょ。（？） 「あたしもだよ。 事務所だと仕事の話、できないよね。 だか…

何をしていても気が付くと彼のことを考えてしまう。 そのたびに 「これは邪念！！」と思って 頭を振る。 頭の中から消えて行って… 気持ちが汚れている時は掃除に限る。 風呂掃除とトイレ掃除を執拗にやった。 汚れと一緒に気持ちの汚れも洗い流せたらいいのに…

バイトの子がミスを起こした。 そうなるんじゃないかと想定できた。 だから何度も、 「本当にその日、◯◯さんで大丈夫なの？」と聞いていた。 彼の案件だったから。 彼は「大丈夫でしょ」 と用心していないようだった。 結局彼女のミスで彼は走り回ることにな…

彼のことが頭から離れない。 この日は披露宴の本番に入る日で。 仕事していても、ふーっとそっちの方に意識がいってしまう。 あたしが入っている会場のすぐ傍で、市政絡みの大きなイベントをやっていて、 彼はそのイベントでスタッフとして動いていた。 外で…

家に帰ってからも 彼のことが頭から離れなかった。 どうにも、こうにも。 お風呂に入って布団に入っても。 気持ちが溢れてどうしようもなくなりそうだった。 邪念だ。これは。 考えてはいけない気持ち。 ”惚れてしまった” 一言でいえば、そう。 誰かに惚れた…

忙しい三連休の前日。 あたしは彼を食事に誘った。 別の仕事をしていたから 「仕事が終わって、時間が合えばご飯でも行きませんか？」 打ち合わせ前に送ったのだけど、打ち合わせ中は返事が気になって仕方なかった。 「いいですよ」 やったあ。 でも旦那には…

はじまりってなんだったのかな きっかけみたいなものはあったんだっけ？ なかったと思う。 わかっているのは、 出会って早々から、気になっていたということ。 二人きりになると、本音で話せたということ。 一緒に仕事がしたくて、そういうふうに予定を組ん…

会社の事務所のメンバー6人だけでのはじめての飲み会。 私は日野くんとどうこうならないってわかりながら、どうこうなりたいなっていう不純な思いを抱えてた。 私は社長の隣に座って、向かいの席には日野くん。 社長の相手をしなきゃいけないんだけど、時た…

初めて一緒に営業回りをした日。 「彼女いるの？」 車での移動中、それも早々にあたしは聞いた。 いないですよ、と彼は答え、 その後何かを言いかけてやめた。 この機会に、前から気になっていたことを聞こう。 「事務所で、なんかいつも冷たくない！？」 彼…

結婚していて、 優しい旦那様がいて、 かわいい子供が二人いて。 両親、家族が普通にいて、 収入もそこそこあって。 マイホームを建てて3年が経つ。 それがあたしのバックグラウンド。 何不自由ない生活。 不満もない。 それなのに どうしてなんだろう あた…