母親失格者

子どもを恋しいと思って何が悪いの？

しょうがないじゃん

引き取りたかったんだもん

引き取れなかったんだもん

私は私が最低な母親だから

私自身、自分を信用してなくて

闘うことすらしなかった

会うたびに

子どもたちに責められて

「なんでなの」「なんで一緒にいられないの」

ごめんねごめんねっていつも泣く

子どもたちも会えば必ず

「ママと一緒がいい」

「ママの行くとこだったらどこだっていいの

どこだってついて行くの」

「怒りんぼのママでもいいの」

「ママがいいの」

って泣きじゃくる。

まだまだ赤ちゃんみたいな脳しかないと思ってた子どもたちから

しっかりした意志のある言葉

こんなクソみたいな母親でも

求めてくれているのに

私は不倫して

結果的に子どもたちじゃなくて男を選んだんだ

最低だ最低だ最低だ

自分なんか死んでしまえ

地獄に堕ちればいい

帰り道いつも思う。

でもそれでは

彼に失礼だし

子どもたちは私が育てなくて正解、

元旦那の方の家族、穏やかで平凡な家庭で育った方が

絶対にまともに育つ。

だからこれでよかったんだ

これでよかったんだ

これでよかったんだ

呪文のように唱えて

気持ち切り替えて帰る。

本当はいつもすごく辛い

すごく辛くて辛くて

涙が止まらなくなる

今でも

誰かにぶちまけたい

辛いんだ！ってぶちまけたい

だけど

全部自業自得で

私が悪くて

私が選んだことで

一番の被害者は子どもたちで

辛いんだけど

誰かに話したら

倍返しに私への叱責が飛んでくることが目に見えてるから

押し込めて

なかったことにする

そうしないと

壊れちゃいそうになるから

前を向いていくしかないんだから

子どもたちだって

私と会えば泣くけど

会わなきゃ楽しそうにしているし

友達もたくさんいる今の所で暮らすのがいいんだろうし

新しいママだってできるだろうし

何より

私みたいな

情緒不安定でヒステリーでキャパの狭い人間に育てられることがなくなったってだけで

最大限の不安要素がなくなったってことで

やっぱりこれでいいんだって

落ち着く。

でも子どもたちを恋しく思う気持ちは変わらない。

それに私は

私たちの過ちでお腹に宿って

中絶という殺人行為をしてしまった子のことだって

よく思い出すし考える。

ごめんね、と今でも思う。

あの時のことを思い出すと苦しいし

降した赤ちゃんも

きっと鉗子から逃げたんだろうな

痛かっただろうな

本当にごめんね...

母ってそういうもんなんだ