結婚しているのに人を好きになってしまった

”不倫” 何不自由ない結婚生活をしているのに、他の人を好きになってしまったら。

キレた旦那

保証会社OKな不動産屋でいい物件があり、話を進めていたが…

そんな最中、また旦那と大喧嘩。

 

口を開けば離婚の話しかしない妻。

その話を徹底的に聞き流す夫。

 

完全に家庭内別居の状態が続いているけど、身勝手な私はその話をしたいときだけ

ご飯を作って一緒に食卓に座ったりした。

 

そうでもしないと同じ空間に居られないから。

となると、子供もいるわけで。

 

「離婚してやってもいいけど、面倒見るのはそっちで、親権はよこして。それが条件。」

と言われた。

「いいよ。離婚してくれるなら、何でもいい。それでいいよ」

と私は言ったが

「よく考えて。ちゃんと調べて。俺は考えてから言ってるから。

そうなったら裁判もしなきゃいけないから。」

「じゃあ他の選択肢は?」

「我慢してこの生活を続けていくこと」

「その二択なら、いいよ。親権渡す。だから離婚して。」

「その詰まった頭でよく考えなよ。」

「最低」

「最低はそっちだろ。妻失格、母失格、人間失格

と旦那は指折り数えながら言った。

これには相当ムカついた。

「もういい!」

で、一旦退室。ぶち切れそうだったから。

自分の部屋で親権について少し調べてみた。

 

親権には2種類あるそうな。

子供の財産についての決定権があるものと、普段の世話やしつけをする権利。

普通は同じ人が持つ。

それを別々に持つってことは、結構な理由がないとだめみたい。

私みたいな母親でも、親権争いしたら勝つみたい。

でも私には、旦那が親権を持つことの利点がよくわからなかった。

旦那のことだから、私に偉そうなこと言ってるけど本質はわかっていないんだろうな。

いつだってそうだから。知ったかぶりの帝王。

そして、ダイニングに戻って、離婚届を差し出した。

 

「ここに親権者を書く欄があるでしょ?裁判なんて必要ないよ。だから今すぐ離婚して!人間失格な人と結婚生活続けていくあなたを理解できない。軽蔑するわ」

と一応怒りを抑えながら言った。(でもかなり感情的になってたと思う。)

「子供の前でやめろよ」

と言われたので、こどもに、「ちょっと向こうで遊んでてくれない?」と言うと

「ママ、またビールかけるの?」と。

前に子供の前で私がキレてビールかけたことが脳裏に焼き付いているらしい。

「そんなことしないよ」と言ったけど

「そうだよ。またビールかけるんだよ。ママはそういう人だからね。ママは、そういう人なんだよ」

これで、私はキレた。

怒り過ぎてよく覚えてないけど、私はコップに入ってた水を旦那にかけた。

それから皿を投げた。

そしたら旦那もキレた。

「やるか、てめえ!!!」

普段温厚な人なんだけど、不良高校に通ってただけあって

ありえないくらい凄まれた。で、向こうもデカイ皿を私に投げつけようとしていた。

正直、怖かった。恐怖と怒りと悲しみで狂いそうになった。

「もう、いい。もう無理。本当に無理。今すぐ出てくわ」

私は泣きそうになってた。怒りで震えながら言った。

旦那は部屋を出ていく私に向かって

「死ね!!!!!!!!!」と叫んでいた。

 

2階に上がって、カバンに子供の服や自分の出勤に必要なものを乱雑に詰め込んだ。

子供の昼寝布団、プールの道具、明日明後日とりあえず過ごせる最低限の物を用意した。

長男が不安そうな顔で追いかけてきたので、抱きしめて

「ごめんね、ごめんね、ママが悪いの。本当にごめんね」って言った。

そしたら泣きながら

「いいんだよ、いいんだよ、僕がいるからね」って言ってくれた。

「ママ、何があってもあなたを守るからね、絶対に幸せにするからね」って言ってまた強く抱きしめて、二人で泣いた。

5歳の子供に、こんな思いをさせてしまう私は尋常じゃない。

だけど、こうでもならないと、私はいつまでたっても母親の自覚が芽生えなかったんじゃないかとさえ思う。

 

育児放棄寸前だったから。

自分で児童保護局に電話しようとも考えたくらい。

育児が辛かった。

 

憎たらしいと思ってた長男が、私の味方でいてくれると言う。

私は一生この子に感謝し続けていこうと思った。

 

支度を済ませて玄関に行ったら、旦那がいた。

子供たちに何かを言ってる。

「消えてよ」と私が言ったら

「早く行けよ、これかけるから」

と水の入ったタンブラーを子供に隠して私に見せてきた。

私は、覚悟した。

自分が最初にやったんだし。

仕事の書類だけ濡れないように、カバンのチャックを閉めてたら

「早く行けよ!」

ってまた言われた。

玄関出る直前にプールバッグがないことに気づいて、取りに戻ってたら

旦那は玄関からいなくなってた。

 

私はどうしようかと思いながら車を出した。

飛び出したはいいけど、どうするかなんて全然考えてない。

 

彼の家まで行ったけど、留守だった。

鍵を持ってるから部屋を借りようかと思ったけど、実家が頭をよぎった。

こういう時だからこそ、頼るべきなのでは…

歓迎されないだろうけど、はね付けもしないはず。

泣きながら親に電話した。

 

それで車で1時間半、実家まで走った。

 

何で泣いているのか、わからなかった。

でも途中からその理由がわかった。

 

あの人と結婚したこと。

それ自体が間違いだった。

でもその間違いをこんな形で正そうとしていること。

私は何てバカなんだろう

私は何てバカなんだろう

 

自分も傷ついて

子供も傷ついて

旦那も傷つけて

 

それでも、ここに残って、この生活を続けるという選択ができない自分。

 

子供、親、旦那、旦那の親、姉ちゃん、それから、すー。

みんなにごめんなさいっていう気持ちでいっぱいだった。

 

自殺したくなる時と同じくらい、泣いてた。

感情が不安定になってた。

でも不思議と、心は強く持てた。

しっかりしなきゃ、って。